アロマ(精油)は自然の働きがギュッと詰まっています。植物は、種から芽が出を出し、その場所で自分の身を守りながら、枯れてしまうまでの一生を過ごします。植物は、自分で成長させ、安全に身を守るテクニックを持っています。それが「香り」で、「精油」や「アロマ」と呼ばれる成分です。
香りの成分の中には、菌類の繁殖を抑制する抗菌作用、また害虫を寄せ付けない作用(昆虫忌避作用)、そして受粉が必要な植物は、昆虫を引き寄せる香りを発していたりもします。植物すごいです。植物の香り「精油(アロマ)」には、本当にびっくりするくらい、様々な働きがあります。人の体にも感情に働きかけたり、やる気にさせたり、、、元気にしてくれるものもあります。お掃除では、精油(アロマ)の消臭や殺菌作用がとても役立ちます!
アロマ(精油)でお掃除・・・アロマと精油とは?
アロマというと、どこでも聞かれる言葉ですが、「精油」というと、ちょっと専門的な響きがしますね。実はアロマと精油は明確な違いがあり、生活の中では「精油」を使うことで、植物が持つ様々な効能を生活に役立てることができます。
アロマは香りがあるもの全般を言います。コーヒーのアロマ、という言い方もしますね。コーヒーの香りという意味です。柔軟剤も「アロマ配合」と書いてあるものもありますが、香りがプラスされている、という意味です。
アロマ(精油)の選び方のコツは?
「精油」または、「エッセンシャルオイル」の表記のものを選ぶこと
精油は、植物から抽出された100%天然のものを言います。精油は、エッセンシャルオイル(EOと略すこともあります)とも呼ばれます。お家で使うものは、この「精油」でしたら、お掃除に使えたり、リラックスに使えたり、で効果が期待できます。
今は、100均にも香りコーナーがあって「アロマ」が置いて在り、ビックリしたことがあります。人気のあるラベンダーやペパーミントの香りもありますが、100%植物由来ではありません。表示を念のため確認して、「精油」「エッセンシャルオイル」と書かれていないものは、香りを楽しむもの、と割り切って使う方がいいですね!
安すぎるものはやめておく
アロマ(精油)は、植物の濃縮されたエッセンスです。精油の価格は、ズバリ!どれくらいの量から精油がどれくらい採れるか?の収油率(しゅうゆりつ)が関係します。植物のどの部位から抽出されるか、その植物の希少性が関係するのです。
一番安価なシリーズは柑橘系です。これは、柑橘系の植物が、世界的に比較的安定した栽培がされていることが関係していますね。小さい頃、ミカンの皮を折って、香りを楽しんだことはありませんか?冬の寒い時期に、こたつでミカンを食べる、、、のは、楽しい思い出でもあります。ミカンの皮を透かして見たときに、小さなツブツブが見えます。これがミカンの「精油」。ギュッと絞るようにして精油を集めているので、比較的手間も掛からないことから、他の精油と比べて安価になります。
一番高価なシリーズは、バラやジャスミン、ネロリなどの花びらから抽出されるアロマ(精油)です。花びらは元来、アロマ(精油)の元となる香りの成分が少ないため、たくさんの花びらを集める必要があります。特にバラは、花が咲くと香りが抜けていってしまうので、花が咲く直前の朝に、摘み取られます。わたしも、なんでそんなに高いんだろう?とずっと思っていましたが、そのような経緯をしると、「高いんだな」って理解ができますよね。
高いはずのバラの香りが、とても安く販売されているのは、恐らく化学物質が混ざっていると思われます。裏の表示もしっかり見て、安さだけで選ばないように要注意です。
成分分析表が提示されている
成分分析表は、そのアロマ(精油)の産地や、成分の細かい表示が書かれています。多くのアロマ(精油)はこれが貼付されています。稀にメーカーのこだわりで商品と一緒に提示されていないものもありますが、お客様から求められたら、提示する必要がありますので、なければショップの方に聞いてみるのもいいですね。
どこのメーカーが使いやすい?
しかし、アロマ(精油)で検索すると、ネットでは山のように出てきます。ネットでたくさんある中から一つ選ぶのはちょっと難しいです。もし今まであまりアロマ(精油)を使ったことがなくて、強いこだわりがなければ、わたしのお勧めは無印良品と、生活の木です。どちらもエッセンシャルオイルを取り扱っていること、価格帯がそこそこリーズナブルなこと、成分分析表が貼付されていること、通販があること、があります。
アロマ(精油)に慣れてくるとメーカーによって香りの傾向があるのも、わかるようになります。ここのメーカーは優しい香り、あまり香り、すっきり系、、、、自分の好みと合うものが一番良いと思います。近くに詳しい人がいて、直接手に取る機会があれば、一番安心です。それから別のメーカーを試してみるのもいいですね。
お掃除に役立つアロマ(精油)
玄関は靴の臭いがありますね!梅雨の時期には、さらにじめっとして臭いが気になります。臭いがこもりやすいところには、わたしは消臭効果のあるアロマ(精油)を使います。水回りも汚れやすいので、トイレには清涼感のある香り、汚れを落とす作用のある香り、など、使用する場所や目的によって、アロマ(精油)を使い分けています。
お掃除に使いやすいアロマをご紹介します。お掃除だけではなくお庭で育てると、お料理や香りづけ、ハーブティなどで楽しめるハーブもありますので、ぜひご参考にされてください!
ペパーミント 苦手なあの虫が嫌う香り!
【学名】Mentha piperita【科名】シソ科【香りの特徴】すっきりした清涼感のある香り【役立つ作用】殺菌作用、抗菌作用が高い。ゴキブリやアリなどが嫌う香りでもあり、防虫にもなります。
ミント系の香りは、歯磨き粉を筆頭に、馴染みのある香りですね。出先で歯磨きが出来ない時や人と会う前に、ミント系のタブレットを口に入れることもありますよね。清潔なイメージにもなるので、お掃除に使うとスッキリ爽快感が増します。
ペパーミントを筆頭にミント系のハーブは、とても強い植物です。一度植えるとしっかり根付くことが多いです。ペパーミントも香りのよい何種類かあるので、お庭で育ててみませんか。ペパーミントティーもお手軽にできますよ!わたしはアップルミントを育てています。正直ほぼ放置、ですが、いつも元気なミント。香りを楽しませてくれます。香りが優しく、お茶にもお勧めです。
ラベンダー リラックス効果だけじゃない、万能のアロマ
【学名】Lavandula officinalis【科名】シソ科【香りの特徴】甘みを感じる果実のような香りと爽やかな草の香り【役立つ作用】殺菌作用、消毒作用が高い。
防虫効果もあるので、ドライフラワーはサシェにも活躍します。
ラベンダーはとってもポピュラーなアロマ(精油)の一つですね。お肌にも優しく、ハンドクリームの香りづけによく使われています。日本でも海外でも栽培されていますが、産地によって、香りの幅もあります。アロマ専門のショップに行って購入するのが一番安心ですが、お店によっては、数種類ラベンダーがあります。わーどれがいいだろう!と悩んでしまいますね。ショップで、香りをかいで、好きなものを選ぶことをお勧めします。ラベンダーはリラックスするアロマとして知られていますが、実は虫が嫌う香りでもあります!虫よけスプレーにも使えること、お肌にも使いやすいナンバー1ですので、ラベンダーが一つあると便利ですよ。
レモングラス ハーブティーもおすすめ
【学名】Cymbopogon citratus【科名】イネ科【香りの特徴】レモンに似た清涼感のある香り、少し土っぽく感じることもある【役立つ作用】デオドラント作用、消臭効果も高いです。殺菌作用、昆虫忌避作用もあり。
ハーブディーでもなじみがあるレモングラス。レモンの香りにていますが、柑橘系ではありません。イネ科の植物のせいか、土っぽいような、レモンよりも深みのある香りに感じます。
比較的育てやすく、私も自宅で育ったレモングラスをドライにして飲んだこともあります。そのままお湯で頂くのと、しっかり乾燥させて頂くのと風味が少し異なり、好みがあるかと思います。どちらも、ハーブティーで頂くと気持ちがシャキッとするので、わたしも好きです。カルディにもハーブティーとして置いてあります。
ローズマリー 料理にも掃除にも!
【学名】Rosemarinus officinalis【科名】シソ科【香りの特徴】鼻から頭に抜けていくようなスーッとした香り。【役立つ作用】殺菌、消毒作用が高いです。
お魚の香草焼きとか、ローズマリーが使われますね。以前は時々パンを焼いていて、少量刻んで混ぜ込んで、フォカッチャにしていました。オリーブオイルを垂らして岩塩をパラパラっとすると風味が楽しく美味しいです!ローズマリーも結構強いハーブで、お庭にある、というお宅もよく聞きます。臭みを消したり、殺菌効果があるので、料理にもよく用いられます。気持ちへの作用は、スーッとする成分が、気持ちに張りを持たせてくれて元気になります。アロマがなくても、お庭に出て、すっと葉っぱをなでると、しっかり香りが楽しめます。
ティートリー カビ・水虫!?色々使えるティートリーの効果
【学名】Melaleuca alterfolia【科名】フトモモ科【香りの特徴】スーッと抜ける香り、少し苦みを感じる香り【役立つ作用】抗菌、殺菌作用については、群を抜いています。抗真菌作用があることでも有名なアロマ(精油)。カビにも効きます。
ティートリーの学名のメラルーカという名前で呼ばれることもあります。万能なアロマの1つです。臭い・梅雨・カビときたら、このティートリーがお勧めです。
抗菌(こうきん)は、雑菌やばい菌が入ってくるのを防ぐ作用です。初めてティートリーを知った時、抗真菌(こうしんきん)って何?と思いましたが、真菌=カビのことです。抗菌、抗真菌作用がバツグンなアロマなんですよ。なんと、水虫、、、もカビの一種なので、フットバスでティートリーを入れて、足をつけておく、というケアもあるほどなんです。ディフューザーで使うと、感染予防にもなる頼りになる1つです。我が家でも切らしたことがないアロマです。
レモン 使い方のコツあり。爽やかな部屋の印象に!
【学名】Citrus limon【科名】ミカン科【香りの特徴】軽くフレッシュな爽やかな香り【役立つ作用】殺菌効果、デオドラント効果。
ペパーミントと並び、爽やかな清涼感を感じるのでお掃除に使うと清潔感がアップします。柑橘系のアロマは、実はマジックなどの油性の汚れを落とすときにも活用できます。子どもが小さい時、油性のマジックの汚れをふき取るのに、大活躍でした。レモンだけではなく、オレンジでもその効果は同じです。
注意点として、柑橘系は、プラスチックなどの材質を解かす作用があります。薄めて使う分には大丈夫ですが、濃く使ってしまったりする材質を痛めてしまうことがあります。
わたしも以前失敗したのですが、トイレの便座部分のプラスチックを、濃い濃度で使ってしまいました。表面が少し溶けて、ざらっとなってしまいました。プラスチックだけではなくて、ゴムっぽいところも同様に溶けてしまうことがあります。濃度を注意すれば、柑橘系は子供も大人も好きな香りなので、重宝します。
アロマスプレーで拭き掃除
スプレー容器・・・100ml容器、アロマ(精油)・・・10~20滴、精製水・・・70ml、無水エタノール・・・30ml
お掃除用のスプレーは、ルームスプレー用よりも容量が大きい方が使いやすいです。これよりも少しエタノールを増やすと油汚れを落としやすくなり、また消毒になります。しかし、家具や床の表面の塗装などを痛めることもあります。だいたいの適量で作られるといいですね。
アロマスプレーの作り方はこちらをどうぞ。
アロマでお掃除しながらリフレッシュ
掃除機をかけていくと、排気部分から、嫌なにおいがすることがあります。ティッシュを小さくちぎって、精油を1~2滴垂らし、それを掃除機で吸い込みます。掃除機の中と、排気部分がいい香りがします。殺菌効果もありますので、掃除をしながら、掃除機の中にも効果が広がります。しかし、多く垂らしすぎると掃除機の中のプラスティックを傷つけることがあるかもしれませんので、その点注意です。
アロマと重曹で消臭効果
重曹100cc対して精油5~10滴
重曹はそのまま消臭効果がありますので、容器に入れて、フタをしない状態で、臭いの気になるところに置くだけで消臭効果を発揮します。さらに、重曹にアロマ(精油)を混ぜると、その空間の香り付けにもなります。重曹にアロマを垂らして軽く混ぜるだけです。
例えばシューズボックスは湿り気もあってにおいが気になるところですね。重曹+アロマの容器をシューズボックスに入れておくと、嫌なにおいを取りつつ、よい香りがします。
アロマでお掃除 注意点
精油は原液で使うと、家具や床、そして皮膚も傷つけることがあります。特に柑橘系はプラスチックを解かすこともありますので、アロマ(精油)を入れる容器は、ガラス容器を一番お勧めします。ガラス容器がなければ、容量を守って、しっかり薄めて混ぜるようにします。分離すると原液部分が容器も傷めてしまうので、無水エタノールで溶かしてから精油を使うと、とてもよく混ざります。それでも大切な家具には、端っこで試してから使用されてくださいね。
香りがよいと気持ちも上がります~みなさん、楽しいアロマライフを!
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